はまな調息堂

はまな調息堂ウェブログ:日々の堂主

調息整体指導室/はまな調息堂の堂主が、
からだを整えるということや日々の活動について
考えたことを綴ります

2015年06月08日:

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世の中は日本刀ブームだそうで、なんでも「刀剣乱舞」だかいう日本刀を擬人化したブラウザゲームがその火付け役で、鑑賞セミナーなどに多くの女性が殺到しているんだとか??
確かにわが阿倍野区松崎町の調息堂の近くにあるコンビニ数件にも日本刀関連の書籍や雑誌を見ることが多くなった。

調息堂主人も小学校の頃から高校卒業まで、小さい体格とヘタレの為にまったく強くはなかったものの剣道をたしなみ、膝を傷めて出来なくなった今でも別の形で刀や武の世界に関わっていて、それが整体の世界に飛び込むきっかけの一つにもなっている。

ある知人がそういう「武」に縁のあり続ける人は、「血が呼ぶのだ」と言っていた。
血が呼ぶ、つまり両親どちらかの先祖が武家の人が多いのだという。
統計をちゃんととったわけではないのだけど自分の周りの「武」に関わり続けている友人数人に聞いたところ、やっぱり両親どちらかの先祖が武家の人が多かったので、そういうもんなのかな??と、信じてみることにしている。(そういうもんだとカッコいいし・・・)

かく言うぼくの先祖も父方が武家だ。
大分遡ったところで本家から別れ、父親も次男で家をでているし、母方は農家の家なので薄い血ではあるものの、遠州浜松では有名な逸話に関わった人の子孫らしい。

らしいというのは、明治の廃仏毀釈で村(現、浜松市平松町)の寺が焼き討ちにあい預けていた家系図が焼けたのと、蔵に泥棒が入ったり戦時中の供出で具足類をとられたりしたために、ほとんど証拠が残ってないからである。(その蔵つきの家も折からの不況で土地ごと売りに出され、今では新しい家が建ってしまっている。)

昔、父に聞いた時もどういう人なのか名前すら良くわかってなく、その手がかりも父が小さい頃から聞かされていた、

「家の先祖は悪いお姫様を斬った人だ」
三五郎様と呼ばれていたらしい。」

という言い伝え??だけで、我が家では長い間の謎だった。
それがネット時代の凄さで、暇だった次姉がちょっとグーグルさんに尋ねてみたところ、あっさり特定できてしまった。

野中三五郎重政

この人がうちの先祖(らしい人)である。

遠江国、藤原北家の血をひく豪族である中安氏の出身で、徳川家康の家臣として三方ヶ原の合戦に従軍、そこで武功を挙げ注目された武人として優秀な人であった。
そしてその合戦の6年後、彼は日本刀剣史においても日本史においても有名な事件の主要人物として関わることとなる。

築山殿暗殺事件

天正7年8月29日(1579年9月19日)に正妻で今川家の娘である築山殿を家康公の命により騙して連れ出し、遠江国小藪村で自害させた事件。
その首謀者の一人で介錯人を務めたのが野中重政であり、この時、介錯に使われたのがあの「村正」で、村正が妖刀と言い伝えられることになる由縁の一つとなった。

殺害時に38歳だった築山殿からは「七代まで祟ってやる」と言われ、命じた家康公からは「馬鹿正直に殺さなくとも他の仕様があったろうに」となじられ、主君勤めに嫌気がさした彼は故郷の堀口村(恐らく現平松町)に隠遁することになるのだが、
子孫に聾唖の姫が生まれたり、浜松城に怪異が度々起きたことから、築山殿の遺体が埋葬されている浜松市中区広沢の西来院に供養塔を建てて毎年祭りを執り行い慰霊に努めたとされる。

この築山殿、悪い妻女としての話が流布されていたのだが、近年の調査によると家康公との夫婦仲も良く、ただ公の保身の為暗殺したことを正当化するために後世にそういう伝説を作られ広められてしまったらしい。

そんな築山殿があまりにも切なくて、開業前に一族のお墓参りに連れていってもらった折に、西来院の御霊廟、「月窟廟」にも参りお詫びをさせていただいた。
(ちょっと不思議なのは、築山殿が殺害された8月29日はぼくの母の誕生日である。旧暦になおすと9月19日なので違うのだが、偶然にしては・・・)

妖刀「村正」の伝説を作った先祖を持つ呪われた一族という金田一幸助に調べ回されそうな一族の末裔であり、さらに母方の祖父は平松町の隣、白州町の神社である鹿島さん(!!)の神官をやっていた、それがぼくの「血」である。
(小さい頃から家康公のことがなぜか嫌いだったのも、この血のせいかもしれない。)

そりゃ刀や武の世界から逃げられませんわな~と感心してしまった。

ただ本身の刀のことに関しては不勉強もいいところなので、この刀剣ブームにのっかって嗜みの範囲で勉強しておくのもいいかなぁ??とも考えているのだが、ブームに乗っかるというのがなにか悔しい気もしているのである。

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